長年ピアノを家に置いていると、そろそろ売って処分しようかと思った時にピアノの音がうまく鳴らない、変な音がするなどの故障が見つかることもあります。
調子が悪いピアノは、買取りができないのではないか? と心配になりますよね。
でも、そんなピアノでもできるなら買い取ってもらいたいはず!
こちらでは、ピアノが壊れている場合の買取りについて、症状別の査定への影響のおおまかな予想や売る際の注意点などについてまとめていきます。
私は修理のプロなどではないため、いろいろと調べて分かったことについてこちらに掲載していきたいと思います。
◆ピアノの買取・処分先探しに一括査定◆
まずはじめに、ピアノが故障していても買取りは可能なのかについて。
ピアノは、壊れている部分があってもピアノの買取業者に売ることができる場合があります。
買い取られるのがどれくらいの割合かははっきりと言えないのが辛いんですが、大抵は故障している部品を取り替えれば直るのがほとんどです。
ピアノ専門の買取業者であれば、調律や修理なども中古ピアノとして販売する前にちゃんと行えるので大丈夫です。
買取りでは、査定額から修理費用が差し引かれると考えてください。
……と言うと、大抵買取りで値段がつくと思われるかもしれないんですが、そこはちょっと複雑なところ。
ピアノの買取り価格というのは、ピアノが作られて何年経っているか、ピアノのメーカー、ピアノの機種(モデル名)などに大きく左右されます。
特に製造からの年数が40年以上の場合、壊れていないピアノであっても買取り価格が付かない可能性があります。
※このあたりの話についてくわしくは、「買取りは40年前までのピアノならOK もっと古いものも売れるかも!」をご覧ください。
壊れた部分のあるピアノは、それらの条件から出る価格から多くの場合はさらに査定額が下がることになります。
そのため、故障の程度がそれほどひどくなく、作られてから30年程度までのピアノであれば買い取ってもらえる可能性は高いと思います。
ひと口に壊れたピアノといっても、いろいろな場合のものがあります。
例えばおかしな音が出る場合であっても、原因となるものがいくつかあるのでその原因によって査定額への影響も違いますし、買取りができない可能性もあります。
ピアノ内部には多くの部品があるため、実際は買取り時に見てもらわないと分からないことが多いです。
この下に症状別の査定への影響を「ほぼ査定に影響なし」「マイナス査定」「ほぼ買取り不可」の3つに分けて表示しましたが、参考程度にとらえてください。
すべての症状を説明するととても長くなるので、ここではピアノの故障でもよくある大きく4つのことについて取り上げてみます。
それでもかなり長くなっているので、当てはまる項目を探してチェックしてみてくださいね。
鍵盤を押しても音が鳴らない場合には、多湿が原因となっていることが多いです。
梅雨の時期の湿気などがひどいと、木やフェルトの部分が湿気で膨張して動きにくくなることがあります。
多湿以外にも、急激な乾燥や気温の変化で引っかかりや収縮が起きることもあるようです。(ピアノは周辺の湿度を50%程度、気温は20度程度を保つのが良いとされています)
どちらの場合であっても、その部分の部品を調整したり取り替えたりすることで直すことができます。
特定の音のみ……「マイナス査定」
ほぼすべての音……「マイナス査定」〜「ほぼ買取り不可」
ピアノの鍵盤を押したときにピアノ以外の音もする場合はまず故障を疑うと思いますが、実はピアノはまったく壊れておらず、周りに置いているものが共鳴している場合があります。
これに当てはまる場合は、特定の鍵盤の音のみ起こり、金属音のような音がピアノの音といっしょに聞こえると思います。
ピアノの上に置いてあるものなど取り除いて確認してみましょう。
なお、ピアノ内部の緩んだネジや楽譜立ての蝶番、メトロノームや部屋の掛け時計など、共鳴する可能性のあるものはかなり多いです。
これに当てはまる場合には、基本的に修理は不要です。
物の共鳴……「ほぼ査定に影響なし」
鍵盤を押した際に中からこすれたような音がする場合、パーツが擦れていることがあります。
この場合は対象のパーツの交換をすることになります。
パーツの擦れ……「マイナス査定」
鍵盤を押した時に一部の音が2重に聞こえたり、音に違和感がある場合はピアノ内部の弦が切れていることがあります。
ピアノの弦は頑丈な金属なので、修理費用が高めで直す作業も大がかりになってきます。
ピアノの弦の破断……「マイナス査定」〜「ほぼ買取り不可」
まれにネズミが中に住み着いたためにおかしな音が出てしまう場合があります。
ネズミの害では、弦が錆びたりピアノの中でものが引っかかる感じがする場合があります。
外からは分かりにくいですが、ピアノの内側は木やフェルトがかじられるなどの大規模な被害のあることが多いです。
ネズミの害……「マイナス査定」〜「ほぼ買取り不可」
また、これは厳密には壊れているわけではないのですが、調律を長年していなかったりピアノにとって部屋が過酷な環境な場合、音の狂いが発生して変な音に聞こえることもあります。
音の軽い狂いであれば調律で直ります。
買取りされたピアノは必ず調律されるため、特に査定がマイナスになることはないでしょう。
軽い音の狂い……「ほぼ査定に影響なし」
10年以上調律を行っていないなどで音が大きく狂っている場合には、大がかりな調律や修理が必要になってきます。
重度の音の狂い……「マイナス査定」
鍵盤の動きがおかしい場合、小さなものが鍵盤の間に挟まっていることがあります。
クリップやシャーペンの芯などでも起きますが、取り外せば元通り弾くことができるようになります。
物が挟まった……「ほぼ査定に影響なし」
鍵盤に液体をこぼしてしまった場所では、鍵盤の下にあるフェルトが膨張してしまうことがあります。
このため音がうまく出ない場合もあります。
調整のみで直るか、部品交換となることもあるでしょう。
液体がしみこんだ……「ほぼ査定に影響なし」〜「マイナス査定が入る」
上のようなことがない場合は、内部の部品の摩耗や虫食いが原因かもしれません。
この場合は多くの鍵盤も同じような状態になっている可能性があります。
特に虫食いが原因であると、ほかの部分も傷んで修理しなければいけないことが多いようです。
部品の摩耗……「マイナス査定が入る」
虫の害……「マイナス査定が入る」〜「ほぼ買取り不可」
ピアノのペダルの故障は鍵盤よりも気づきにくいですが、こちらも査定に関係してきます。
ペダルを踏んでも正しく音が変わらない場合は、ペダル内部の一部が破損している可能性が高いです。
ペダルの効果がない……「マイナス査定」
ペダルを踏むとキイキイとピアノの中からする場合は、ペダル内部がスムーズに動いていないと思われます。
この場合はフェルトなどの部品を交換して動きをよくします。
ペダルの異音……「マイナス査定」
また、これは分かりやすいですが、ペダル部分がバキッっと折れてしまっている場合はペダルの取り替えとなります。
ペダルの折れ……「マイナス査定」
壊れているピアノを買取り依頼する上で、特に注意したいことがあります。
ピアノの買取り価格に直接影響のある話になるので、しっかり確認しておきましょう。
ピアノを売る場合には、壊れた部分は事前に直さないでください!
直してから買取りをお願いすると、損をしてしまう可能性が高くなります。
ピアノを直す場合には、「ピアノの修理専門の業者にお金を払って依頼する」か「自身や知り合いなどが無償で修理する」のどちらかになると思います。
前者の「ピアノの修理専門の業者にお金を払って依頼する」の場合、しっかりとピアノを直してもらうことができますが、修理をせずにピアノを買取りに出した場合に下がった金額よりも多くの修理費を払うことになるでしょう。
せっかく事前に修理をしてもらっても、損をするのでやめておいたほうが無難です。
また、調律も買取り後に行われるので、売る直前にする必要はないですよ。
長年調律をしていないと査定が下がることもありますが、事前に調律師に頼むよりは安くつくでしょう。
また、後者の「自身や知り合いなどが無償で修理する」の場合。
まず、ピアノ修理の素人では、直せるものはごくわずかです。(わたしもまったく直せません……)
ほとんどは、専門の知識や技術がないと直すのが困難で、修理をしたとしても買取り後に再度修理が必要となったり、場合によっては直さなかったほうが高く買い取られたということも考えられます。
また、もしあなたが自動車や機械の修理が得意であっても、ピアノは楽器なので音についての専門的な知識が必要となるためやめておいたほうがいいと思います。
修理をしないということが、お得にピアノを売ることにつながります。
ピアノの買取り先は、ピアノ専門の買取業者を、必ず複数社について検討しましょう。
これは状態のよいピアノでも当てはまることですが、壊れているピアノを売る場合は、より慎重に調べる必要があります。
ピアノの修理が得意か(自社でできるかなど)どうかで、買取り価格に差が出やすいんです。
多くの買取業者への見積り依頼は大変なので、「無料一括査定サイト」などをうまく活用するといいですよ。
壊れたピアノをできるだけ高く売るには、ピアノの故障部分をしっかり伝え、見積りの比較を行いましょう。
ピアノの買取業者は、通常では実物を見ずに見積りを作ります。
そのため、できるだけ正しくピアノの状態を伝えることで、実際の買取価格に近い見積りを出してもらえます。
買取りを依頼する前に多くの業者の見積りを比較しておくことは、高く買い取ってもらうためにはとても重要です。
見積り依頼の電話や買取業者のサイトの申し込みフォームの備考などで、分かることをしっかり説明しておきましょう。
ピアノの買取り手順についてはこちら → 「ピアノの買取りの流れを知る! 〜事前の確認から買取り成立まで〜」
<ピアノの買取りで損しないために!>
お盆で帰省された方も多いと思いますが、地震に台風と心配になってしまいますね??
実家で今は使われていないピアノがある場合は、災害に備える意味でも処分や売却を相談するいいタイミングでもあります。
そのピアノを弾いていた家族には忘れずに一声かけてくださいね!? 中の人 @ピアノ買取り便利帳 (@piano_purchase) August 14, 2024